講座「読む人の気持ちをつかむ文章術」の質問に答えます

2015年冬期大阪藝術学舎の授業を受講してくれた方の質問に答えるコーナーです

結びの部分で上手く着地させるには…? by Y.Kさん

 これまでの4回の授業を振り返り、今の段階でどうしたらいいか漠然としているのは、第4回の文章構成についての回です。授業の中でも今回目指すレベルは「自分で気づくけど直せない」とのことでしたが、私自身まさにそのレベルだと感じています。

 私は定期的にエッセイのような文章を書く機会があります。その際、校正の段階で違和感を感じ、文章を組み替えてうまくはまる時もあるのですが、はまりきらずとても気持ち悪いまま抜け出せないことがあります。

 特に悩むことが多いのは結びの部分です。伝えたいポイントを絞って、冒頭につかみを持ってきて、時系列を整えて組み立てても、最後の最後でうまく着地できず、文章の終わりがふわふわと軽くなってしまう時には悶えてしまいます。

 伝えたいことの深掘をしきれていなかったケースも多いのですが、すでに思いは出そろっているのにうまくはまりきらず、違和感を感じる時は、どうしたらよいでしょうか。
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f:id:pasoco:20150322225843j:plainお答えします!
…といったものの、文章の最後をどうしたらいいか…これは難しい質問です。なぜならわたし自身、どうやって書いているのかよく分からないから…。だから、この「構成」についての第4回は授業もうまく伝えられなかったのでした。すみません。
 構成はね…えいえいって並び替えて、文章くんを通りやすくしてあげて、文章くんの導くままに任せているうちに終わりが突然現れる…。

f:id:pasoco:20150327223155j:plain←「伝えたいこと」を運ぶ文章くん


 文章くんについていって、その子が終わりたいと言えば終わりというか。
いかんこれ、木を見つめているとそこから掘り出されたい仏が見えてくるとか、そういう、スピリチュアルなあれですね。これでは全然説明になりませんね…。困った。

 文章の終わりというのは、意外にいろんなパターンがあるということを、様々なエッセイを読んで知ると、1つのヒントになるかもしれません。びしっと上手い着地をするものもあるし、尻切れトンボのものもあるし、着地をせずに余韻を残すものもあるし、突然断絶するものもある。新聞のコラム、ブログ、作家のエッセイ、それぞれ特徴があります。
 Y.Kさんのお悩みのすでに思いは出そろっているのにうまくはまりきらないケースは、もしかしたら、結び部分が蛇足になってるのかもしれません。出そろったところで終わってしまってもいいのかもしれません。「結ぼう」なんて考えず、そのまま読者に提示する。そういうパターンも有りです。ちゃんと思いが過不足なく出そろって、それが分かりやすく説明できていれば、結論は読者がそれぞれの胸の中に抱いてくれるはずです。
 文字数の2倍書いて削るということをやると、蛇足部分は入れられなくなるので、結びに悩まなくなるかも。書きたいことをいっぱい書いて削って削って何とか納まった…ふう…ということをやれば、結びをどうしようと悩むこともないかも。わたしが書くときはいつもこのパターンかもしれません。